関節リウマチは、関節の滑膜という場所に炎症がおきて骨や軟骨が破壊され、痛みが生じる病気です。進行すると関節が変形し、動かしづらくなります。自己免疫疾患の一種である関節リウマチの症状は痛みや腫れなど関節の症状だけではありません。関節以外の場所にも倦怠感や発熱、体重減少など全身に症状が現れます。咳や息切れ、目の充血など、いっけん関節リウマチと関係のない症状も出ることがあります。炎症による骨や軟骨の破壊は、ゆっくり進行すると以前は考えられていましたが、最近の研究では比較的早期、たいていは1、2年のうちに急激に進行することが分かりました。そのため早期診断、早期治療こそが大切といえます。
患者の情報を収集、調査しているレジストリーデータによれば、日本のリウマチ患者の発症平均年齢は52.6歳。40〜60歳の女性に多く、最近では高齢者の発症も増えています。関節リウマチの診断は、触診、超音波検査、MRIにより関節の腫れを確認し、血液検査で異常を調べ、関節炎の持続期間、炎症反応を鑑みたうえで総合的に判断します。その際、看護師は検査の補助を行います。治療は薬物療法が中心です。薬により関節の痛みや炎症を抑えて、骨や軟骨の破壊を防ぎます。看護師は患者に対して投薬指導や生活指導を行い、症状や合併症を見ながら、抗リウマチ薬やJAK阻害薬、生物学的製剤などを用いて治療をしていきます。痛みが強い患者に対しては、一時的にステロイドや消炎鎮痛剤などを用いることもあります。関節リウマチの治療目標は寛解です。症状が落ち着き、日常生活が送れることを目指してサポートします。